最初、寺島君がお相手だと伺っていたので、てっきり僕がいっちゃんの方だとばかり思って、原作と台本を読ませていただいていました。しかし、途中で「あ、お、俺、じゅんぺー！しまった！」と気付きまして、読み直すことになりました（笑）

まさか僕が寺島君の後輩役を演じさせていただくことになるとは夢にも思わず、最初はちょっとドキドキしました。

じゅんぺーはとてもガムシャラなヘタレワンコみたいなキャラクターだったので、彼の一生懸命な部分が出せたらいいなぁと思いながら演じさせていただきました。

僕も、台本と香盤表を見て「僕が平川さんより年上の役だと！？」と驚きました。どうしようかなと考えながら原作を読ませていただいて、役作りをしました。

作品の雰囲気があまりコミカル過ぎず、本当にお風呂のイメージのような、ちょっとだけ気が抜けたような日常生活を描いたものでしたので、あまり力を入れ過ぎないように演じました。

辻井はつかみどころのないキャラクターだったので、難しいなと思いながら演じさせていただきました。でも、題材が常日頃、皆さん必ず関わるようなもので、すごく現実味のあるものでしたし、時間の流れ方がせかせかせず、心地のいい作品でした。とても、いい時間の流れ方を感じながら収録させていただきました。

僕は今回初めてボーイズラブCDに参加させていただきました。作品自体が独特のテンポを持っていて、大きな出来事や事件はないのですが、登場人物の繊細な感情の揺れ動きで物語が進んでいく、とても優しい柔らかいかんじのお話でした。このような素敵なお話に参加させていただき、嬉しかったです。

僕の役のサトルは番外編で登場します。本編ではメインのいっちゃんとじゅんぺーの恋物語が描かれて、番外編でサトルが２人に関わってくるという立ち位置でした。

番外編は本編とは違った雰囲気になればいいなと思い、収録に臨ませていただきました。

じゅんぺーといっちゃん、お互いの気持ちがラストへ向かってだんだんと向き合う形になっています。いっちゃんは気持ちとしては決まっていたのでしょうが、なかなか真正面からじゅんぺーの方を見てあげることが出来ない状態。そんないっちゃんを一生懸命じゅんぺーは追いかけていました。

お互いの気持ちがモノローグなども多く含みながら丁寧に描写されていますので、たっぷり作品世界にひたっていただけるのではないかと思います。

僕が力を入れたところは、じゅんぺーがローションを買いに行くところです（笑）。

一同：笑

寺島：変装として平川さんも実際にマスクしてましたね。

鳥海：声も変えてね（笑）

今回の作品は、絡みのシーンはあるんですが、どれもこれも、なかなか上手くいきません。そのもどかしさっていうのが、そのまま彼らの関係性や心情を表しているのかなと思いました。そして、読み進めるうちに、この上手くいかないかんじがこの作品の味なんだなと感じました。

お風呂に入ったり、お酒を飲んだり、ゆったりしているところとは裏腹に、どうしても上手くいかない、こんがらがった部分というのが上手く音声で伝わるといいなと思いました。

いっちゃんは力はあまり入れずに演じました。溌剌としていない大人の自然体な雰囲気を大事に、あまりコミカルにしないように意識しました。

メインの２人すれ違いは、言ってしまえば「本当はお互いの気持ち、わかってんじゃんお前ら〜」という勘違いみたいなものだと思います。そういった２人の葛藤などが丁寧に順を追って描かれているので、その辺りをじっくり聴いて下さい。皆さんにも、２人を見守るような温かい気持ちで聴いていただけるのではないかと思います。

辻井もいい意味で力を入れませんでした（笑）いい意味で（笑）

サトルが関わることにより、兄弟を見守る優しいじゅんぺーの目線とか、いっちゃんのお兄ちゃんぶりとか、メインの2人の新たな側面が見えてくるといいなと思いながら演じていました。

サトルは一見硬派で大人びて見える部分もありますが、同じ年頃の子と同じように感情的に動くところもあります。役者になりたいという夢を持って上京してきたり、お兄ちゃんと近付きたいという想いがあったりなど、色々な人に応援したいなと思ってもらえるような曲がった所のないキャラクターなのではないかと思いました。声がついたことでより一層、皆さんにそう思っていただけると嬉しいです。

その辺りに注目して聴いていただけると、メインの2人のこともサトルのことも、もっと好きになってもらえるのではないかと思います。

熱すぎない、ぬるめのお湯にじっくりつかると体がよく温まるそうです。

なので、ぬるめのお湯につかってこのＣＤを聴いていただくと、聴き終わる頃にはほっこりほこほこになって、若干のぼせ気味くらいなのではないかと思います（笑）

鳥海：お水持って行くといいかもね。

そうですね。ちゃんと水分補給をしながら、ぬるめのお湯につかって聴いていただけると嬉しいなと思います。

夜にお風呂を溜めて、ご飯を食べて、お風呂がぬるくなるまで待って、それからお風呂に入って、楽しんでＣＤをお聴きいただけると、作品世界とリンクして、すごく良い気分になり、一番いい眠りにつけるのではないかと思います。いっちゃんとじゅんぺーも２人でちょうどいい温度で付き合って、安らかな暮らしをしています。ぜひぜひ皆さんもＣＤを聴いて、ちょっと心を動かして、ゆったり休んでいただければ嬉しいなと思います。

平川：いっちゃんとじゅんぺーは、すっごい熱々のラブラブっていうかんじじゃないもんね。本当にちょうどいいぬるいかんじだもんね。

自然ですよね〜。

鳥海：心地いいんでしょうね。

発売される２月は寒いですからね、このＣＤを聴いて、お風呂に入りたくなっていただいたり、もしくは、のぼせない程度にお風呂で聴いていただいたりするのも良いのではないかと思います。

本当に心温まる作品ですので、身も心も温まりながら聴いて下さい。

この作品は本当に繊細で、登場人物たちの感情が物凄く丁寧に描かれている作品だと思います。ぜひ何度も何度も聴いていただいて、ゆっくりまったり、お風呂につかるようなイメージで「ぬるくなるまで待って」の世界観にひたっていただければ、きっと皆さんの心も揺れ動くような作品になっていると思います。

あと、サトルのことも温かい目で応援して下さると非常に嬉しいです。